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選択を外した話


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選んだ時点ではどちらがメジャーになるかわからず、後になってマイナーな方を選んでいたって気づくこと、よくありますよね。

有名なネタとしてはβとVHSでしょうか?

うちは幸い最初からVHSだったのでこれは当たりませんが......

そんなものを思い出して書いてみます。

スーパーレール と プラレール

子供向けの鉄道のおもちゃといえばプラレールが有名ですが、私の子供の頃には同じトミーでスーパーレールというのがありました。

サイズ的にはプラレールと同じくらいですが、もう少し現物に近い形状です。線路は枕木とレールが黒い樹脂の一体成型でレール上面が銀色に塗られていました。車輪もフランジの付いたものでした。乾電池を入れて走るところは一緒ですね。

今から思うにプラレールからNゲージなどの鉄道模型への橋渡し的な位置づけだったのかもしれません。

当時買ってもらったのはこちらのスーパーレールでした。どんな車両持っていたかなどは残念ながら憶えていません。

他に友達の家にはNゲージサイズのおもちゃもあったのですが詳細不明です。

マイプリンター と プリントゴッコ

これははがきサイズの簡易印刷機です。両者は孔版という点では共通ですがそれ以外はかなり違います。

メジャーになった方のプリントゴッコも10年以上前に生産終了していますので簡単に説明します。

まず版の作り方ですが、マイプリンターはガリ版そのものです。専用用紙(蝋を染みこませてある)に専用のペン(インクの入っていないボールペンのようなもの)で直接書きます。あるいは専用の筆ペン(溶剤が入っている)で蝋を溶かして除去します。

一方プリントゴッコでは原稿は普通の紙に書いておいて、フィルムを張ったスクリーンと重ねて強い光を当てて作成します。光が原稿の黒い部分に吸収された熱でフィルムを融かす仕組みです。

印刷もマイプリンターはガリ版と同様にインクをローラーで伸ばします。全面が同じ色になるので多色刷りは何回かに分けて行う必要があります。

プリントゴッコはインクを伸ばすのではなく圧をかけるだけなので場所ごとに異なる色のインクを乗せることができます。

マイキット と 電子ブロック

ハンダ付けをすることなくいろいろな電子回路を作って遊ぶおもちゃです。

電子ブロックは四角ブロックの中に電子部品が入っていて、それを並べると隣接ブロック間が接続される仕組みです。説明書にある回路を組むだけなら良いのですが、自分で考えて組もうと思ってもなかなかできません。ブロック上面には回路記号が書かれているので回路図っぽく見えます。

マイキットはパネルに部品が並べてあって端子はバネになっています。配線はこのバネを曲げてリード線をはさむことによって行ないます。モジャモジャになってしまいますが接続に制約は無いので自由に配線できます。

マイキット20という一番小さなセットを買ってもらって遊びまくりましたね。小学校高学年になってハンダ付けできるようになると見向きもしなくなりましたが......

電子ブロックは後に大人になってから復刻版を買いました。

386bsd と Linux

ここで一気に大学時代に飛びます。

家でUNIX系のOSが使えるということで386bsdを導入した話は初めてPCを組んだ話初めて386bsdをインストールした話に書きました。

この頃(1992~1993年頃)はまだどちらが優位ということもなかったですね。

その後も家では一貫して386bsd, FreeBSD, NetBSDとBSD系を使い続けています。

Linux環境をまともに使ったのは(もちろん仕事で)PlayStation 2の開発をしていた時の開発機くらいかな。あとはNASとかに入っているのを間接的に使ってる程度ですね。

AVR と PIC

どちらも8ビットのマイコンですが、最初はMP3プレーヤキットに使われていたAVRです。この頃PICの書き込み器も買っているみたいなのでどちらを自分のメインにしようか迷っていたようです。

当時思ったのは、AVRはレジスタも多くどことなくMC68000っぽい石だな、それに対してPICはあまり美しさが感じられないな、でした。まだ何でもCで書けるような状況ではなかったのでアセンブリ言語で書きやすそうなAVRを選んだのでした。

MC68000 と 8086

ちょっと順番が後先になっていますが大事なものを忘れていました。

アセンブリ言語(当時はマシン語とも)を初めて使ったのはPC-8001mk2に使われていたZ80ですが、MC6809搭載のFM-7を使っていた友人には馬鹿にされたものです。

それで家に16ビットマシンを導入するにあたっては迷わずMC68000を選んだ(件の友人は8086へ)のでした。

あまり後悔はしていない

こう並べると選択を後悔しているように思えるかもしれませんが、実はあまり後悔はしていません。

スーパーレール・マイプリンター・マイキットについてはそもそも自分の選択というよりは親の選択ですし、あまり互換性が問題になるようなものでもありませんでした。

後半もなんとなく選んでいるわけではなく、理由があって納得して選んでいますから。

一つの例外を除いてメジャーになった方に乗り換えることもしていません。

その例外がMC68000系→8086系です。こればかりはね、どうしようない。しかも単なる道具としてはもちろん、プログラム書くにしても高級言語が前提ならプロセッサにこだわる理由が無くなってしまいましたから。

でもMC68000を動かしたことを無駄とは思わないから、後悔ではないですね。


コメント

選んだのは自分ではないのだが、何度かあったMIPSとARMの選択は、自分の人生に甚大な影響があったとしか思えない。
基幹ロケット(H2Aのこと)開発の時と次期WinCEの時とMPコア共同開発の時とトヨタ純正ナビ開発の時と常に翻弄された。

なかなかスゴいプロジェクトに参加されていますね。
MIPSもARMも以前仕事で使ったことはありましたが、あまり低レイヤはいじらなかったので「あ、今度はARMなんだ」くらいで済んでいました。

家にMC68000の16ビットマシンなんて書き方をすると、フツーはX68000だと思われてしまいますね。

PC-80001mk2も、メジャー陣営のNECのPCとはいえ、あの時代のあのクラスのマシンとしてはFM-7がメジャーになりましたね。X1もかもしれませんが。

他にMC68000系のマシンというとMacintosh, Sun-3, CISC NEWSあたりを持っている人は身近にいましたが、どれもMPUを意識して使うマシンじゃないんですよね。

PC-8001mk2も確かに微妙なマシンですね。当時はいろいろ不満もありましたが、V9938(MSX2のVDP)ボードを作ったり、CRTC絡みの雑誌記事を読み漁ったり、自分で解決する方法を模索していました。

コンパイラが前提のマシンだと強く意識するのはエンディアンと割り込みの違いぐらいですからね。ゲーム基板やX端末などもMC68000系が多かった記憶。
また、わざと選択を外すクローン防止の商談もあった。例えばV60/V70では8080エミュレーションの代わりに独自命令をマイクロコードに仕込んだりした。

要はいいコンパイラがあればあとは何とかなってしまう。
あとMC68000系が多かったといえば初期のPostScriptプリンタですね。

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