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基板を注文してみた


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KiCadで回路図が入力できるようになったら次はパターンを引いてプリント基板を作ることになります。

まずはパターンですが、私はこの経験はほとんどありません。

大昔(40年位前)に自分でエッチングしてプリント基板作ったことはありますが、雑誌掲載のものをそのまま作ったようなものやはじめてのプリント基板のような単純なものばかりです。

その後はユニバーサル基板にETFE線で配線するのががメインで、交差を意識してパターン引き回しを考えるのは電源などの一部のみです。ちょっと考えて無理なら交差を気にしなくて済むETFE線に逃げていました。

勤務先でCAD使っていた時も回路設計のみで基板のパターン設計は専門のグループに依頼していました。

作るのはロジックのそれもせいぜい10MHz程度です。前回書いたように自動配線に全面的に頼ることにします。

実際の基板製作も自分でエッチングやメッキを行なうのは現実的ではありません。10cm×10cm以内の基板であれば格安($5程度)で作ってくれるところがいくらでもあります。国内メーカに比べて品質がイマイチという話もありますが、自分で作るよりはるかに安く高品質なものが出来上がるでしょう。

第1号の基板は回路図エディタの練習で入力していたROMエミュレータにすることにします。回路入力も終わっていますし、ちょうどもう1台欲しかったところだからです。

ROMエミュレータは2種類の形態を考えていました。

  1. 以前のものと同様にターゲットボード上に立てる
    これは昔勤務先で使っていたREM32という市販のROMエミュレータを参考にした形態です。
  2. ターゲットボードとリボンケーブルで接続する

1. は場所を取らいないというのが最大のメリットです。特に机の上を散らかしまくる私のような人間にはありがたいですね。

問題点としては基板面積の制約がきついということです。横幅が28ピンDIPの1400milを超えると周囲の部品と干渉する可能性がでてきます。縦は自由ですがあまり背が高くなると使いにくいですし、10cmを超えると基板の製作コストが一気に上がります。

前に手配線で製作したボードを見てもらえばわかるように空きランドがほぼ見えないくらいに部品を詰め込んでいるのでパターンが引けるのか若干不安ではあります。

2. は机の上で邪魔になる以外問題なさそうですが、実はリボンケーブルをソケットに接続するコネクタの入手が難しくなってきています。以前は国内メーカもあったようですが、今探すと中国メーカくらいしか見当たりません。Z280ボードのようにゴツくなってよければピンヘッダと連結ソケットの組み合わせで何とかなりますが。

できれば1.で行きたいので行けるところまで行ってみよう、駄目なら改めて2.の形態でやり直そうと考えてスタート。

発注先は初めてだし無理をせず『KiCad Basics for 6』に合わせて「Fusion PCB」に決定、デザインルールを設定します。

基板サイズは横が1400milに左右1mmずつ余裕を持たせて37.56mm、縦は限度ギリギリの99.95mmとしました。10cm×10cmの中に2枚入るので同種集合にします。Fusion PCBでは同じものの集合は追加料金がかかりません。

これでFreerouting(自動配線)を走らせてみます。特に設定はしませんでした。デザインルールはPCBエディタから自動的に引き渡されるようです。

が、いつまで経っても終わりません。うまく引けないらしく試行を繰り返しているようです。

541(バッファ)や574(D-FF)は入出力の対応さえ取れていれば入れ替えても問題はないのでコネクタのピン配置を見ながら入れ替えてみます。SRAMのアドレス・データも入れ替えられますがターゲットのROMコネクタと揃っていれば良いだろうとこちらには手を付けませんでした。回路図エディタで変更したら、PCBエディタで変更を更新して再度自動配線を試みます。

まだ駄目なようですが先ほどより未配線の本数が少なくなりあとちょっとというところです。

ここでFreeroutingがデザインルールの「制約」ではなく「ネットクラス」に従っていると気づきました。こちらはデフォルトのままでかなり余裕のある設定になっていました。これを詰めてDIPのピン間に2本通せるようにしたところあっさり配線が完了しました。

ちなみにベタGNDにはしていません。サーマルランドになっていてもハンダ付けしにくいのでどうも好きになれません。

少し寝かせてから回路やパターンを最終チェックします。次の面付けは手作業なので手戻りは避けたいところです。

面付け作業は『KiCad Basics for 6』のやり方で行いましたが、原点を基板隅ではなくコネクタランドにしていたので寸法計算が面倒になってしまいました。

原点を基板隅に、グリッド原点をランド中心にすれば良かったのかもしれません。

今回はV-CUTにしたので隙間0で並べるだけ(外枠を囲んでV-CUT線を入れる必要はあり)だったので大した手間ではありませんでしたが、ミシン目などは結構面倒そうです。どこかに専用のツールがあっても良さそうな気がしますが...

これで注文したのが1/7で、1/15に製造完了・発送されたのですが、実はまだ到着していません。送料をケチったせいかな。

それでも基板製作費が$4.90に対して送料が$14.88もかかっています。慣れてきたら複数の基板をまとめて発注した方がよさそうです。

参考文献・関連図書: 
小坂貴美男(2021)『KiCad Basics for 6』, Kosaka.Lab.出版掛.

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