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日本計算機 BUSICOM 162 (外観編)


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日本計算機(後のビジコン)の電卓 Busicom 162 をやっと引っ張り出すことができました。

Busicom 162
Busicomといえば1966年発売のBusicom 161が有名ですが、これはその後継機で1967年発売らしいです。

発売元の日本計算機は後にビジコン(株)に社名変更されるわけですが、それと同じ頃にあのインテル社とあるデバイスを共同で開発します。それが世界初のマイクロプロセッサとなった4004です。
この時ビジコン側から開発に参加した嶋正利氏はその後インテルに転じて8080を開発し、さらにZilogでZ80の設計にも携わります。

Busicom 162 正面
これが正面、キーについては後述するのでここでは主に表示について書きます。

表示は16桁のニキシー管です。「0」から「9」までの数字の形をした電極が封じ込められた放電管(真空管)で、電極の一つを選択して発光させることで表示を行います。7セグメントLED等のように発光するセグメントの組み合わせではなく、各数字ごとに自由な形状にできるため自然な表示が可能です。一方で、電極を互いに接触しないように配置する必要から数字ごとに奥行きが異なって見える欠点もあります。また真空管のため高電圧が必要で、昔の74シリーズTTLのラインナップを見るとSN74141 BCD-to-Decimal Decoder / Driverのように60V耐圧のものが存在します。

14桁目付近の下には「NEGATIVE」「OVER FLOW」の表示もあります。これのデバイスは何でしょう? ネオン管かな。
右端のスライドスイッチのようなものは3桁ごとのマーカ(白丸)を移動するものですが、白と黒に塗られた板を動かして丸い窓から見える色を変える純機械式です。

Busicom 162 キーボード
左上の赤いボタンは電源スイッチです。その下のダイアルはよくわかりません。

キーボードも中央のテンキーやその右の加減乗除と「=」、左上の「√」はわかりますが、他はよくわからないものが多いです。実際に動かしてみれば見当が付くかもしれませんが、事情により動かせません。説明書の類もないので現在お手上げ状態です。

右のスイッチは刻印から、切り上げ・四捨五入・切り捨ての選択と思います。

Busicom 162 背面
背面は電源コネクタが配置されています。久々に電源を入れようと「メガネ」の電源コードを持ってきたら挿さらないのです。よく見ると四角形の独自コネクタなんですよね。以前電源を入れたことはあるのですが、どうやったのでしょうか、思い出せません。

機銘板によると40W、単なる電卓にしては大食いですね。50 - 60 C/S の「C/S」はCycle / secondの略で今でいう「Hz」のことです。


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