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MC6821 PIA


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6800ファミリのパラレルI/Oの石MC6821 PIA (Peripheral Interface Adapter)が出てきました。残念ながらモトローラのオリジナルではありません。

EF68B21P
これはトムソン製のEF68B21P、1984年製のものです。「B」が入っていますから2MHz品になります。

6821は8ビットのポートが2つ(PAとPB)、それにハンドシェイクに使用できるピンが4つ(CA1,CA2,CB1,CB2)の合計20本のI/Oピンがあります。Z80 PIOと同等、Intel 8255は8ビットのポートが3つですがポートCはハンドシェイクにも使われるので特に6821が劣っているというわけでもありません。
PAにはプルアップ抵抗が内蔵され、CMOSをドライブできるようにVOHが高く設定され、またPBは直接NPNトランジスタのベースを駆動できるようにソース電流を多くしてあるなど、PAとPBは同等ではないので注意が必要です。

データシートに等価回路が載っていますが、PAはオープンドレイン出力をプルアップする構成になっていました。おそらく当時はトーテムポール出力ではVOHを高くできなかったのでこうしたのでしょう。相手がCMOSなら電流はほとんど流れないのでこれでVOHはほぼ電源電圧になります。「プルアップ抵抗内蔵」は意図したというより必然的にそうなってしまったのだと思います。

PA,PBともにビット毎に入出力を選択可能ですが、CA1,CB1は入力専用となっています。

MC68kボードのEF68B21P
これはMC68kボードに使用中のものです。
上のものとデートコードまでが一致するのでまとめて購入したものでしょう。

HD468B21P
これは日立製のHD468B21P、やはり2MHz品です。HD468B21PとHD68B21Pの2つの型番が並んでいるのが面白いですね。

代表的なパラレルI/Oのデバイスにはこんなものがあります。

デバイス ポートA ポートB ポートC タイマ 備考
Intel 8155/8156 8 8 6 1 ポートCはポートA,Bのハンドシェイクにも使用
256バイトのRAM搭載
Intel 8355/8755 8 8 0 0 2kバイトのROM搭載
Intel 8255 PPI 8 8 8 0 ポートCはポートA,Bのハンドシェイクにも使用
Zilog Z80 PIO 8 + (2) 8 + (2) 0 0
Zilog Z8036 Z-CIO 8 8 4 3 ポートCはポートA,Bのハンドシェイクにも使用
Motorola MC6821 PIA 8 + (2) 8 + (2) 0 0 本項デバイス
Motorola MC68230 PI/T 8 + (2) 8 + (2) 8 1
MOS Technology MCS6522 VIA 8 + (2) 8 + (2) 0 2 簡易な同期シリアル搭載

※「8 + (2)」は8ビットのポートにハンドシェイク用のピンが2つあることを示す

どこも似たような構成で、特にタイマと一緒のデバイスが多い(しかも各メーカとも)のが面白いです。やはりパッケージを考えるとピンを多く必要とするパラレルと必要としないタイマを組み合わせるのは合理的な判断なのでしょう。

参考文献・関連図書: 
MC6821データシート, Motorola.
EF6821データシート, Thomson.
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