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NEC PC-9801F2 (分解編 その3)


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分解編の3回目はメイン基板です。PC-9801F2については一応今回で最後の予定です。

メイン基板
これがメイン基板の全景、かなり大きな基板なので1/4ずつ見ていくことにしましょう。

メイン基板 右上
まずは右上部分から。

写真上中央の青いコネクタは320kのインテリジェントフロッピーのコネクタ、そのすぐ下のμPD8255AC-5はその位置から考えてこのフロッピーのためでしょう。さすがに1枚あたり320kBという容量は少なすぎ、このインターフェイスは早いうちに姿を消すことになります。
下のμPD8251AC USARTはキーボード用と思います。
右側2列に並んでいるHM4864AP-12は64k×1bitのDRAM、ここには一部しか見えていませんが全部で24個あります。合計で192kBということはグラフィックVRAMでしょう。
左下にはμPB6102C053などのカスタムが見えます。付近には珍しいシグネティクス製のTTLがいます。

メイン基板 右下
続いて下に行って、メイン基板の右下部分です。

左側に並んでいるμPB6102C040, μPB6101C041, μPD52611C, μPB6102C039, μPB6102C038、右に1列ずれてμPD65003C017×2とカスタムらしきものが多いですね。

調べたところμPB610※はBipolar TTL Gate Array、μPD6500※は3μm CMOS Gate Arrayでした。
μPD52611Cは購入できるようなので汎用品なのかもしれません。

左下のμPD2364EC 027は8k×8bitのマスクROM、容量とμPD7220ADの近くであることからキャラジェネの可能性が高いと思います。

中央に仲良く2つ並んでいるμPD7220ADはGDC (Graphic Display Controller)、どちらかがグラフィック用でもう一方がテキスト用です。直線や楕円の描画機能をもった初期のデバイスですね。こいつのアプリケーションノートを持っていたはずなのですが、どこへやってしまったのか。
右下に(読みにくいですが)μPD4016CX-20とMB8416A-15L-SKが計4つあります。どちらも2k×8bit SRAMで、混在しているのは単なる調達の問題と思います。これがテキストとアトリビュートの下位で、テキストの上位は前回のサブ基板に載っていた正体不明の2つのSRAMだったのではないかと思えてきました。確か漢字ROMを持たないPC-9801初代やPC-9801EにはテキストVRAMの上位は無かったはずなので、上位が漢字ROMボードに載っているのは理に適っています。アトリビュートの上位はありません。
右下のμPB74LS30Cも珍しいかも、NEC製のTTLです。μPBの「B」はBipolarということなんでしょう。

メイン基板 左下
次は左に行って、左下部分です。

右上のμPB6101C042は何かのゲートアレイ、わからないのでパスします。
2つ並んでいるカードエッジのソケットは上が拡張スロットのバックプレーン、下は2DD用のFDCのためのものです。電池が液漏れしたのか緑青がひどいですね。
スロットの下、左側にはμPD8259ACが2つ、PIC (Programmable Interrupt Controller)ですね。PCでもお馴染みのものです。
下には4つのROMと2つの空きソケットがあります。M5M23128-099PとHN613128PD69はともに16k×8bitのマスクROM、D23128C-274, 23128C-275はNECの指定した名称でしょう。自社製を使うならμPD23128C 274/275となるのでしょう。同様にM5M23256-051P, HN613256PD88は32k×8bitのマスクROMです。全部あわせて96kBなのでBASIC, BIOSのROM (アドレス 0E8000H~0FFFFFH)でしょう。ソケットは何のためでしょう? ROM追加できるのか、それとも16k×8bitのROMを6つにすることも出来るのか? μPD8259ACとの間の2つのジャンパピンも気になりますね。
ソケットの右にはμPD8086D-2 CPUがいます。下にはオプションのC8087-2が挿してありました。PC-9801シリーズ用のオプションとしての型番「PC-9808」も追加でプリントしてありますね。
下の白いコネクタは漢字ROMボードが挿してあったところです。

クリーム色の大きな円形のものはBEEP用のブザーですね。この時代はまだ周波数を変更することはできませんでした。あの有名な「ピポッ」音も無かったはずです。
ブザーの下はμPB8288D バスコントローラです。
上はμPD1990AC RTC、年が使えるμPD4990に変わったのはどの機種からだったか?
さらに上には電源コネクタとバックアップ用の電池があります。電池の周りが腐食しているので液漏れしてしまっているのでしょう。今からでも外しておいた方が良いのかもしれません。

メイン基板 左上
最後はメイン基板の左上部分です。

左上の40ピンはμPD8255AC-5 PPI、すぐ上にプリンタポートがあるのでそれ用でしょうか?
その下に16個並んでいる4164-2NLは64k×1bitのDRAMで計128kBありメインメモリですね。増設RAMボードにはパリティがありましたが本体には無いようです。
8255の右下のμPB6102C046はわからないのでスキップ、下のD8284Aは8086用のクロックジェネレータです。何故かAMD製。
μPB6102C046の右上にはこれもAMD製のP8251Aがいます。すぐ上にMC1488L, MC1489Pとドライバ・レシーバがいてその上にはシリアルのコネクタがありますね。やはりこの8251がシリアルポート用で、最初に見たNEC製の8251はキーボード用であっていると思います。
右にはまたμPD8255AC-5がいますね。
下のμPD8253C-5はカウンタタイマ、ソフトウェア用のタイマの他にDRAMリフレッシュとシリアルのボーレートジェネレータに使用しています。
μPB6101C038はとばして、μPD8237AC-5はDMAコントローラですね。

ということでPC-9801F2についてはこれで終わりです。


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