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8253 PIT


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80系ファミリのカウンタICも出てきました。

M5L8253P-5
三菱のM5L8253P-5、Intelの8253 PIT (Programmable Interval Timer)の同等品です。「747106」がデートコードと思われますが、三菱のは読み方がわからないのでいつ作られたものかは不明です。

これはPC-9801シリーズやPCにも使われていた(PCには今でもこのICの機能は含まれているはず)ので、プログラムしたことのある人も多いかと思います。特にPC-9801シリーズではブザーの回路に使われていたので、変わった音を鳴らそうとすると避けては通れないデバイスでした。
ただ私はあまりこれを使った記憶がありません。

これもM5L8253P-5
これも同じくM5L8253P-5です。こっちには「JAPAN」の表記がありますね。

この8253はスペックを見る限り16ビットカウンタが3チャンネルとバランスの取れた構成に見えます。
特徴としては50%周期の出力が得られる分周機能があることと、BCDによるカウントができることでしょうか。50%の分周器はシリアルのボーレートジェネレータ等に使用するときにありがたいです。Z80 CTCなどは極端なデューティーの出力なので後段に1/2分周器が欠かせませんでした。BCDカウントも今ならソフトで2進⇔10進の変換をして済ませますが、乗除算命令の無かった頃にはBCDでカウントできることにはメリットもありました。
後に改良版の8254というのもできましたが、あらためて相違点を探そうとするとすぐには出てきません。やはり両者のデータシート並べて比較するしかないのですかね? 少なくともクロックの上限が引き上げられてはいるようですが。

ここで有名どころのカウンタ・タイマICを比較してみましょう。

デバイス ビット長 チャンネル数 備考
Intel 8155/8156 14 1 パラレルI/O・256バイトRAMも搭載
Intel 8253/8254 16 3 本件デバイス
Zilog Z80 CTC 8 4
Zilog Z80 KIO 8 4 Z80のCTC+PIO+SIO+クロックジェネレータ他を一つにした
Zilog Z8036 Z-CIO 16 3 20ビットのパラレルI/Oも搭載
Motorola MC6840 PTM 16 3
Motorola MC68230 PI/T 24 1 パラレルI/Oも搭載
MOS Technology MCS6522 VIA 16 2 パラレルI/O・簡易シリアルも搭載

こうしてみるとこの16ビット×3というのが普通の構成であるのがわかります。
パラレルI/Oと一緒の奴はちょっと「おまけ」感があり、数が少ないのはやむを得ないでしょう。あとZ80系の8ビットというのも特徴的にビット長が短いですね。
MC68230もさすが32ビットレジスタのMC68000のファミリ、(32ビットは過剰と思ったのでしょうが)24ビットと他には無い長さになっています。

参考文献・関連図書: 
M5L8253P-5データシート, Mitsubishi.

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