前回「これでどうやって操縦できているのでしょう?」と書きましたが、なぜそう思ったのかを書いてみたいと思います。
まずヘリコプターの飛行の基本はメインローターの生み出す揚力です。これが重力より大きければ上昇し、小さければ下降します。
本物の場合、メインローターのピッチ(すべてのブレードを一様に変化させるコレクティブピッチ)の変更がメインです。必要に応じてエンジンの出力も使います。
模型でもエンジンを積んだ本格的なものなどピッチで行なうものもありますが、モーターの場合は回転数を変化させて行うものが多くあります。ピッチを変えるためには機構が複雑になるのに対し、モーターの速度制御は容易だからです。
今回の2機は大小共に回転数を変えていると思われます。
これで上下移動はできるようになりましたが、このままではメインローターの反作用で機体が回転してしまいます。これを防ぐ方式としていくつかの方式が用いられています。
- テールローターで逆向きの力を発生させて打ち消す
- 尾部から圧縮空気などを噴射して打ち消す
- メインローターを2つ互いに逆回転させて打ち消す
- そもそも反作用が発生しないようにする(ブレード先端に小型ジェットエンジンが付いてるとか)
1., 2., 3.ではこのバランスを崩すことで機体の向きを左右に振ります。4.の場合も機体の向きを変えるなんらかの手段は必要です。
今回のものでは大きい方は1.、小さい方は3.と思われます。
これで上昇・下降し向きも変えられるようになりました。あとは前進できれば最低限の飛行ができると言えるでしょう。
前進させるには機体(正確にはメインローターの揚力の向き)を前に傾ければ良いです。揚力の水平成分が前進する力になり、鉛直成分が減った分下降するので水平飛行するには上昇操作も同時に必要です。
と書くと簡単なようですがこの傾けるのが大変でして……
本物の場合は、メインローターのブレードが前にある時はピッチを小さくし、後ろにある時はピッチを大きくします。各ブレードは1回転を周期としてピッチが変化することになります。これをサイクリックピッチと呼びます。回転しているブレードをそれぞれ異なるピッチにするわけで、メインローターの付け根に複雑な機構が必要になります。前回ちょっと触れた「スワッシュプレート」はこの機構の一部です。
ところが今回のものにはこの機構は付いていません。付けたら面白そうで買えるような価格にはおさまらないでしょう。
小さい方は尾部のローターで前傾姿勢を取れそうなので前後進はできそうですが、もう一方はどうやっているのか見てもわかりませんでした。
ちなみにマルチコプターの場合は前後のローターの回転数に差をつければ前傾姿勢を取ることができます。左右の差を使えば横移動も可能(サイクリックピッチでも可能)です。
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