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パーソナルなコンピュータのグラフィック事情 (第1回: はじめに)


これまで「メモリ事情」「サウンド事情」と書いてきましたが、今度はグラフィック事情について取り上げてみたいと思います。

本当の初期、まだパソコン用のディスプレイがなかったころは以下のような涙ぐましい努力がされたようです。

幸か不幸か私はこの時代を体験していないので知識として知っているだけです。
  1. 7セグメントの表示器
    マイコンのトレーニングボードには8桁程度の7セグメントの表示器が付いていることが多かったのでそれを使います。デコーダをソフトウェア処理している場合はパターンは自由にできるので、例えばa,g,dセグメント(上中下の横棒)をクルマに見立ててカーレースゲームを作ったりします。
    そういえばゲーム付き電卓でもこのような表示を使っていたものがあったように思います。
  2. LEDマトリクス
    多数のLEDを格子状に並べて表示装置ごと作ってしまいます。この頃のマイコンユーザならハードウェアの製作のできる者も多いので16×16程度ならそう難しくはありません。あとは根性と資金の問題になります。今ならモジュールが手に入りますが、当時そんなものは使えないのでバラのLEDを並べて配線することになります。
    高校時代に32×8の「電光掲示板」を作ったことがあります。難しくはありませんが面倒でした。
  3. テレタイプでアスキーアート
    日本ではあまりありませんでしたが、海外でテレタイプを端末にしているような場合には濃さの異なる文字を並べてプリントして絵を表現する方法も使われたようです。機械式タイプライタの時代からあるテクニックなので自然と使われたのでしょう。
  4. オシロスコープのXYモード
    オシロスコープの使える人はXとYの2軸(輝度のZ軸もあるとなお良い)用にD/Aコンバータを接続し、XYモードにしたオシロスコープの画面上に簡単な図形を表示させるものもいました。スキャンはソフトウェアで行ない、ベクタスキャンなので複雑な表示を行なおうとするとリフレッシュレートが下がります。

その後、家庭用のテレビを接続して文字表示ができるようになります。次回はテレビ時代を書いてみようと思います。


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