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TTLをディスクリートで作ってみた


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前回、Expander対応端子からTTLの動作を追ってみようとしたわけですが、電圧を見てみたい箇所はまだあります。ならディスクリートで同じものを作れば好きな箇所の電圧を測ることもできるだろう、ということで作ってみました。

ディスクリート版 NANDゲート
SN7450のうち1側のみ、それも1C, 1Dを省略しましたので、2入力NANDゲート(Expandable)というシロモノになりました。X, Xのところで分割できるので、入力側を使ってSN7450にANDを追加したり、出力側を使ってSN7460 ExpanderをNANDとして使うこともできるはずです。

データシートの回路図はもちろん製作するためのものではありません。いくつか解決しなくてはいけないことがありました。

  1. トランジスタの特性
    使用されているトランジスタの特性は不明ですが、ロジックですし性能を追求しているわけでもないので一般的な小信号用のNPNトランジスタ 2N3904を使用しました。
  2. ダイオードの特性
    こちらも同様に一般的な1N4148を使用しました。
  3. マルチエミッタトランジスタ
    入力にはマルチエミッタトランジスタが使用されていますが、これはディスクリートでは入手できません。複数の2N3904のベースとコレクタを並列接続することで代用しました。
  4. 抵抗値
    SN7450と比較しやすくするため、またSN7450, SN7460と相互に接続することを考慮して記載の抵抗値をそのままとしました。ただし手持ちの関係で4kΩ→3.9kΩ, 1.6kΩ→1.5kΩ, 130Ω→120Ωに変更しています。

これで前回同様に電圧をみてみます。

No. 1A 1B 1A Q1
ベース
Q1
コレクタ
X X Q3
コレクタ
Q3
エミッタ
1Y
4 Open 1kΩでプルアップ 1.48V 2.13V 1.48V 0.81V 0.76V 5.10V 0.30V 0.03V
5 10kΩでプルダウン 1kΩでプルアップ 1.48V 2.14V 1.49V 0.81V 0.76V 5.10V 0.31V 0.04V
6 3.3kΩでプルダウン 1kΩでプルアップ 1.46V 2.14V 1.48V 0.81V 0.75V 5.10V 0.32V 0.04V
7 1kΩでプルダウン 1kΩでプルアップ 1.18V 1.88V 1.22V 4.28V 0.56V 5.10V 3.83V 3.66V
8 330Ωでプルダウン 1kΩでプルアップ 0.47V 1.17V 0.51V 5.10V 0.00V 5.10V 4.67V 4.53V
9 100Ωでプルダウン 1kΩでプルアップ 0.15V 0.86V 0.20V 5.10V 0.00V 5.10V 4.63V 4.39V

予想以上にSN7450に近い特性が得られて少し驚いています。

ちょっと出力の振幅が大きいのが気になりますが、トランジスタの進歩のおかげなのでしょうか?

あとは1A, 1Bをともにプルダウンしたときの影響と、負荷を変化させたときの変化を見たいですね。

AC特性も見たいけど、それにはまず測定器を何とかしなくては...

参考文献・関連図書: 
SN5450, SN7450データシート, Texas Instruments.

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