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続続・TTLをディスクリートで作ってみた


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TTLをディスクリートで作ってみた続・TTLをディスクリートで作ってみたではとりあえず電圧を測っておけばと思っていましたが...

NANDゲート 改良版
結局、電流を測れるようにジャンパをに追加しました。必要に応じてジャンパを抜いて電流計を挿入します。

これでいくつかの場合について動作を追ってみました。

以下の回路図で青地で書かれているのは実測値、赤字で書かれているのは計算値です。数字が単独で書かれているのは電圧(V)、矢印とともに書かれているのは電流(mA)です。入出力の「1k」はもちろん抵抗値1kΩです。

電流の和が0にならない点が多々ありますが、電圧・電流は同時に測ったものではなく使用したテスタの内部抵抗で動作点が若干動いているようです。

まずは入力を共に"H"にした場合です。
H,H 入力
真っ先に気になるのはQ1の動作でしょう。Q1のベース-エミッタ間が逆バイアスとなり、エミッタとコレクタの働きが逆になります。逆にしてもNPNはNPNなので一応トランジスタとしての動作はします。

Q1のベース電流と入力からのコレクタ電流はエミッタとして動作しているコレクタからQ2のベースに流れQ2がONします。これによりQ3がOFF、Q4がONとなり出力は"L"となります。VOLはQ4のVCEで決まるので低くなります。

次に入力の片方を"L"にしてみます。
H,L 入力
入力が"L"になった側のQ1のベース-エミッタ間が順バイアスとなり、通常の向きでONします。"H"側から流れ込んだ電流とベース電流は"L"側に流れ出し、Q2がOFFします。

"L"側にはベース電流分多くの電流が流れるためプルダウン抵抗は小さくないとVILを満たせなくなります。この例でも満たせていません。そのせいかQ2は完全にOFFしていません。

Q2のICが残っているのでQ2のコレクタ電位が下がり、結果的にVOHも下がってしまっています。

最後に両入力を"L"にした場合です。
L,L 入力
今度は"H"のピンから流れ込む電流もなく、ベース電流も2つのピンで分担できるのでVILを満たしており、Q2もOFFしています。

VOHはQ3のVBEとDのVFの分の低下は避けられません。

Q3のエミッタにつながっているDが邪魔に思えますが、これはQ2とQ4がONしているときにQ3がONしないためでしょうか。

以上、電圧と電流から動作を解釈してみましたが、あっているかな。

これまでTTLには散々お世話になっているのにずっとブラックボックスでした。実際みてみると意外な発見があって面白いです。


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