2016-11-07 17:18 — asano
これはデスクトップPCでPCカードを扱うためのアダプタです。
これが全体、見てわかるように3.5インチのドライブベイに入れるようになっています。
当時この手のアダプタはいくつかありましたが、その多くは拡張スロットに専用カードを挿す形式のものでした。PCカードの信号は基本的にCPUバスなので、拡張スロットから取り出すというのは理に適っています。
しかしデスクトップPCでPCカードを使用する目的は多くの場合はフラッシュメモリやHDDなどのストレージ系カードです。I/O系はPCカードを使用するよりISAなりPCIのスロットを使用するほうが安価で性能もよく選択肢も多いですから。そこでこのアダプタはストレージ系カード専用と割り切ることでインターフェイスにSCSIを使っているのです。何か他の用途でSCSIを使用していればそのバスに追加できますし、必要に応じて外付けにもできます。
型番は(実物を見てもわからなかったのでネットで探したところ)おそらくIODATA製のCardDock-IN/SCと思われます。ただロゴなどが付いていないのでOEM向けかもしれません。CardDock-EX/SCという外付けのものもラインナップされていました。
正面にはシャッターが付いていますね。厚さから考えてType IIIまで対応しているようです。
左側の穴はアクセスランプですね。イジェクトは手動(レバーを押す力で機械的にカードを出す)なので強制イジェクトではありません。
基板を外してみました。これは最初から見えていた表側です。
右半分はPCカードスロット(のコネクタ)が占めています。コネクタの上にはSCSI IDとターミネータのOn/Offを切り替えるジャンパピンが見えています。その左には「C-DOCK2/SCSI-1」とあって最初これが型番かと思って検索したのですがヒットしませんでした。
下端には小さな字で「©1998 I-O DATA DEVICE, INC. MADE IN JAPAN」とあります。1998年ということはまだUSBが普及し始めた頃で、まだSCSIの方が一般的だと考えられたのでしょうか?
左端には50ピンのSCSIコネクタと電源コネクタがあります。電源はなぜか3.5インチフロッピードライブに使われる小さいコネクタが採用されています。
コネクタの右側、下のほうにはI-O DATAの表記のあるQFPのICがいます。「IDSC20-A」は以前紹介したIDE-SCSI変換器にも使われていました。IDEの信号も16ビットPCカードの信号も似たようなものですからこれで変換しているわけですね。
SCSIコネクタの右側に2つ並んでいる小さいのはターミネータでしょう。その右のPLCCのICはPCカード関係のものでしょうか? ラベルが貼られているということは書き込み済みかもしれません。
裏側中央にはやはりIDE-SCSI変換器にも使われていたH8/3004がいます。左にいるPLCCはラベルで読めませんが、STMicroのロゴの一部が見えているので何らかのROMでしょう。ラベルの存在もデータを書き込むROMの可能性を示しています。
右側にはパターンカットやジャンパ線などの改修の跡がありますね。
Add new comment