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パーソナルなコンピュータの補助記憶事情 (第1回:半導体と紙)


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これまでいろいろと書いてきましたが、そういえば補助記憶装置についてはまだだったと思います。

さて補助記憶装置というとどんなものを想像するでしょう? 今だとHDDやSSDあたりでしょうか。
定義としてはCPUが直接アクセスできないメモリとするのが一般的です。

補助記憶装置の話を書く前にブートプログラムの置き場所について書いてみます。

まだパソコンと呼ばれるものがなかった頃、コンピュータを自作する上での大きな問題の一つが電源投入時に実行するソフトウェアをどうするかでした。これ無しではキーボードや表示装置を動かすことも、補助記憶装置を使うこともできません。

最も原始的なのは人間に頼ることです。電源を入れたらスイッチ等を利用してRAMに直接書き込んでいきます。電源を入れるたびに行なわなくてはならないので一度入力したら極力電源は切らないという運用になります。

電源を切りたくないのはRAMだけなので、すぐにRAMだけ電池でバックアップする方法が考えられます。CMOS RAMを使えばこれはそう難しいことではありません。またプログラムの暴走等で内容が破壊されないようにメモリの一部を書込み禁止にすることも行われました。一部のRAMのWEにスイッチを付けて切るだけなら簡単だからです。
これで電源投入と同時に動かせるようになりました。

ROMが使えるようになると内容が消える心配をしなくてよくなります。

RAMのバックアップは電池の消耗やスイッチの操作ミスなどで内容が消えてしまうリスクが高かったのです。また自作の場合は回路の変更等を行なうこともあり、頻繁に再入力が必要だったはずです。

中には根性でROMを作った(ダイオードマトリクス等で)人もいたようです。
UVEPROMが使える(自分で書ける)ようになるとこれらの問題はほぼ解決します。

当時の市販のライタは個人で買えるような価格ではありません。ヒューズROMや初期のUVEPROMは書き込み方法が複雑で書き込み器の自作は困難でしたが、2716以降は自作が現実的になりました。

中には基本ソフトウェア以上のものをROMで搭載した人もいました。確かアスキー誌だったと思いますがSSST(Solid State Star Trek)といって当時流行っていたゲームをROM化した記事もありました。

市販のパソコンが登場すると当然書き込み済みのROMが搭載されているわけで通常は問題はありません。

以上はどんな補助記憶装置を使うにしても必要なものです。
ただバックアップRAMにしてもROMにしても容量に制限があるので通常基本以外のソフトウェアは何らかの補助記憶装置におくことになります。

アメリカ等では個人でもテレタイプ端末を所有する例もあったようで、紙テープも使われていたみたいです。これは紙製テープにあけた穴の有無で情報を記録するもので、慣れると読むこともできるらしいですね。
私もテープだけ(パンチャやリーダは無し)は少し持っていたはずなのですが、行方不明で出てきません。もし出てきたら写真載せようと思います。

パンチカードを個人で使う話は聞いたことがありませんが、いてもおかしくないですね。これは手動でパンチして読み込むROM的なものになります。
これも数枚持っていたのですが...

次回はカセットテープの話を書く予定です。


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