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Philips SCC68070


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この68070はあまり知名度無いかもしれません。


PhilipsのSCC68070CDA84というものです。1990年製かな。

68070という番号からMC68000の仲間らしいことは想像がつきますが...

68000ファミリは →MC68020→MC68030→MC68040→MC68060で終わりのはずです。しかも84ピンということからもMC68060の後継なはずがありません。

実はこれ、68000を中心に周辺デバイスを集積したものです。

もうちょっと誤解を招かないナンバリングできなかったのでしょうかね。


裏側を見ると右下に「KOREA」とあって韓国製であることがわかります。

上に「68000を中心に」と書きましたが、厳密にはアドレスエラー・バスエラーの処理は68010に近く、エラーの起きたアクセスを再実行して復帰可能になっています。

これがあったので試してみたくなったのです。

資料を読む限りMC68010とよく似ていますが互換性はありません。スタックフレームも異なっています。ただMC68010以降の4ビットのフォーマットコードで区別する枠組みには乗っているので対応は難しくなさそうです。

命令についてはMC68000互換でMC68010での追加命令は使えないようです。

周辺デバイスとしては以下のようなものが搭載されています。

  1. クロックジェネレータ
  2. 割り込みコントローラ
  3. MMU(MC68451とは非互換)
  4. DMAコントローラ(HD68450のサブセット)
  5. UART
  6. I2C
  7. 16ビットタイマ

I2Cを持っている辺りがフィリップスらしいですね。

8086系には周辺デバイスを集積した80186のようなものが多数ありますが、68000系ではこれが初だったようです。後にTMP68301, MC68302, MC68332などが登場します。

SCC68070にはSCC66470Bという相棒がありました。VSC(Video System Controller)というビデオ回路・DRAMコントローラなどをまとめたもので、SCC68070を含む68000ファミリMPUと合わせてCD-I端末を構成できるようになっています。

参考文献・関連図書: 
「特集 68070の活用研究」『プロセッサ』1989年6月号, 技術評論社.
SCC68070データシート, Philips Semiconductor.

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