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パーソナルなコンピュータの補助記憶事情 (第3回:QD,バブルメモリ,ROM)


フロッピーディスクに行く前にマイナーなものを見ておきましょう。

クイックディスク(QD)はテープとディスクの中間のようなものです。形状はフロッピーディスクのような円盤ですが、ディスクの回転とヘッドの移動が独立している通常のディスクとは異なり、回転と連動してヘッドが移動する仕組みになっています。その結果、記録は同心円状ではなく渦巻状になります。もちろんランダムアクセスはできません。
容量は片面64kBで、裏返して使えるので合計128kBになります。
MZ-1500など一部のパソコンに使われた他、ファミリーコンピュータのディスクシステムに使われました。ファミリーコンピュータ用では汎用のディスクが使えないように故意に形状が変えてありました。

磁気バブルメモリは磁性体薄膜を使ったメモリで、テープやディスクとは異なり機械的な動作無しで電気的に読み書きが可能です。磁気記録なので不揮発性です。
パソコン用の採用例は少ないですが、BUBCOM-80やFM-8に使われました。32kBと128kBのメディアがありましたが、容量に比べて非常に高価でフロッピディスクの代替品にはなりえませんでした。
ラジオ会館のショールームで画像を読み込ませてフロッピーでディスクよりこんなに速いというデモをしていたのを憶えています。

第1回でも取り上げたROMもソフトウェア配布用と使われるようになりました。
ファミリーコンピュータのROMカセットやMSXのカセットなどゲーム類が中心ですが、PC-6001などではアセンブラ等のソフトウェアのROMもありました。漢字ROMなどもあります。

形状はゲームではほぼ全てがカセットですが、システムソフトウェア等ではROM単体をソケットに挿すものもあります。HC-88のようにROM単体より少しだけユーザに配慮したカプセルもありました。

ゲームのROMカセットはCPUのメモリ空間にマップされそのまま実行もするので補助記憶装置とは呼びにくいですが、HC-88のROMカプセルはユーザからはROMディスクとしてアクセスされますし、漢字ROMはI/Oポート経由で読み出すものが多いので補助記憶装置に分類しても間違いではないでしょう。


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