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PLLシンセサイザ(その1)


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最近ちょっとショックだったのは愛用していた発振器SG-8002DC(SG-Writer II参照)がディスコンになってしまっていたこと。今後ずっと使うつもりでいたのに......

かなりの数を持っていますし、まだ買えるうちに追加もしたので、これまでのペースなら困ることは無いと思うのですが、実験用にポンポン使い捨てていくわけにはいかなくなってしまいました。

そうなると実験用のクロック発振器が欲しくなります。マイコンのクロック用がメインなので周波数範囲は1~25MHz(可能ならもう少し下も欲しい)程度で安定していることが条件です。そうなるとPLLシンセサイザしかありません。

秋月で売っているSi5351Aなんかがピッタリではあるのですが、PLLってあまり作ったことが無いので興味があるのと、やはりDIP(とPGA, PLCC)で揃えたいという変なこだわりで、作ってみるかということになりました。

それで先日のPLL用のICたちに繋がっていたのでした。

分周比の切り替え(=周波数の設定)部分はMC145106が便利そうなので使うこととして、問題はVCOをどうするかです。とりあえず手に入った74LS624と74HC4046を試してみることにします。


上の方はMC145106などを載せる準備です。

74LS624は上のVRでRNGを与え、下のVRで制御電圧を与えます。最終的にはRNGは必要とする周波数によってD/Aコンバータか何段階かの切り替え式を考えています。

Cx=22pFで試したところ、RNG=5Vでは1.6~11MHz程度、RNG=0Vでは5.4~38MHzの可変域が得られました。ちょっと上に寄っていますがCxを少し大きくすれば行けるかなといった感じですね。できれば中央を使いたいのでギリギリすぎるかもしれません。RNGを固定できないのは面倒です。

続いて74HC4046の場合、同じく下のVRで制御電圧を与えます。

C1=33pF, R1=47kΩ, R2=∞の条件で760kHz~29MHzとなりました。こちらもギリギリですが何とかカバーできています。

あとでデータシートをよく見たらC1>40pFとありました。C1=47pF, R1=33kΩくらいにするかな。

こちらは余計な切り替えなどせずに済むので使うならこちらですかね。

これらの実験と並行して何か良いVCOの石は無いかと探していたのですが、「FEXT PLL」なるものが何度か登場します。ネットを探し回ったり、Twitterで聞いてみたり、したところどうやらPCのクロックアップ用に任意のクロックを発生させるものらしい。これ今欲しいものそのモノじゃないか、とはいえ四半世紀も前のもので入手はできないでしょう。

トラ技に記事があるというので部屋を探したところ珍しくすぐに出てきました。

これは発振回路部分は表面実装です。DIP品もあるみたいなのですが今からMB87014Aを入手するのも大変そうですし、いざとなったらVCO部分を参考にさせてもらおうかなと考えています。CMOSインバータでリングオシレータを構成し、その電源電圧を変えると遅延が変わって周波数が変わるというもの。でもICの電源電圧を可変するのはどうも気持ち悪いなぁ。

参考文献・関連図書: 
SN54LS624 thru SN54LS629, SN74LS624 thru SN74LS629データシート, SDLS186, Texas Instruments.
CD54HC4046A, CD74HC4046A, CD54HCT4046A, CD74HCT4046Aデータシート, SCHS204J, Texas Instruments.
小島昭二(1997)「発振周波数1M~160MHz,周波数のスムーズ可変が可能なPLL発振回路の製作」,『トランジスタ技術』1997年6月号, pp.372-382, CQ出版社.

Comments

京セラ製樹脂の不正発覚によるディスコンだと思うので、素材を変更した後継品が出ないかとまだ僅かに期待している。

そうなんですか?
一部のパッケージは来年くらいまで生産継続らしいです。

代替推奨品もリストアップされていましたが、DIP品が無い・5V対応品も無いということで個人的には......
それなら秋月にあるSi5351Aもいいかなと思っています。実験中はI2C繋いで決まったらOTPに書いてスタンドアロンなんてこともできそうですし。

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