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個別半導体の型番 (その他編)


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3回にわたって日本アメリカヨーロッパの命名法を書いてきました。

この他に旧ソ連・中国等も独自の命名法を持っていたでしょうが、残念ながら資料がありません(あったとしても読めないでしょうが)。また軍用のものも独自の命名法のものがあるかもしれません。

これらはあまり目にする機会もないと思います。
余談ですがロジックICについてはコレクションしている方がいらっしゃいます。下記リンク(世界の汎用ロジックIC)参照。

さてこれらの命名法に則らないとすると、独自に命名法を定めて運用することになります。これはハウスナンバとも呼ばれます。
次のようなものはメーカ毎に独自の命名がされていることが多いようです。

  • LED・ホトトランジスタ・ホトカプラ等の光デバイス
  • サイリスタ・トライアック等のパワーデバイス
  • トランジスタアレイ等の複数の素子が入っているもの
  • デジトラ(ベース抵抗等を内蔵したトランジスタ、デジタルトランジスタ)

各メーカがどれを登録して、どれを登録せずにハウスナンバで運用するかはもちろん想像するしかありませんが、やはり型番の中に仕様を盛り込んで規則正しいわかりやすい命名をしたいというのが多いのではないかと思っています。

ハウスナンバの命名規則はもちろんメーカ毎に異なり、さらに品種毎にも異なるのが普通です。例えばLEDは発光色が重要ですが、トランジスタに発光色は不要です。詳細に公開しているメーカ(東芝のものを下のリンクに挙げておきます)もあれば、まったく公表していないところもあります。

最後にいくつか面白いものを挙げてこの「個別半導体の型番」を終わりにしたいと思います。

LEDは多くのメーカが型番で色を判別できるようにしていました。
東芝はTLR102といった型番でしたが「R」が色(もちろん赤)を表していました。N:赤外, R:赤, O:橙, Y:黄, G:緑 (青や白は作っていないはず)で、後に高輝度品にはTLUR~といった型番になりました。ちなみにTLP~というのはLEDではなくホトカプラです。
シチズン電子のものはCL196YG, CL-198N-HGCといった型番で「YG」「HGC」が色を表しています。
日亜はNSPW510の「W」が色(白)を表しています。さらに「5」はレンズ径を、「1」は指向特性を、「0」はレンズ色・拡散をあらわし、型番だけでかなりのことがわかるようになっています。

初めて聞いたときにビックリしたのは「KSC945」というトランジスタ、想像の通り2SC945を意識したネーミングです。さすがにまったく同じはマズいと思ったのか「2」⇒「K」と置き換えていますね。ちなみにこれのコンプリメンタリは「KSA733」なので、偶然の一致とは思えません。

オリジナルの2SC945のピン配置はE-C-Bですが、このKSC945にはE-C-BのものとE-B-Cのものがあるので要注意です。

似たようなものに2SC1815Lというものもあります。秋月電子通商で売っているので知っている人も多いと思いますが、東芝2SC1815の互換品です。

最後はロームのデジトラです。DTA~とかDTC~とかの型番のものが結構あります。DTA~, DTB~はPNP型、DTC~, DTD~はNPN型です。そう2SA, 2SB, 2SC, 2SDの「A」「B」「C」「D」をそのまま借用したのでしょう。確かにわかりやすいネーミングだと思います。
トランジスタの場合はJIS・EIAJだとコンプリメンタリの番号を揃えることができないのと、デジトラはベース抵抗・ベースエミッタ間抵抗の組み合わせが多くなるのでそのあたりを考慮したのかもしれません。


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