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NEC PC-PR3000PSモジュール


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これはNEC製のプリンタPC-PR3000PSに入っていたモジュールです。

PC-PR3000PSのモジュール
PC-PR3000PSはOKI Microline 801PS入手前にPostScriptプリンタにあこがれて入手したもの。ジャンク品でも意外に動作することも多いので賭けてみたのですが、結局のところ動作するまでたどり着けず、ゴミになってしまいました。このモジュールだけ手元に残っていたので今回取り上げてみることにしました。

どう取り付けられていたのか憶えていませんが、左の2つのコネクタは外部に見えていました。曲がったシールド板金の影には電源と信号のコネクタがありますが、これらは内部接続用で何らかの形で隠されていたはずです。

カバー開けたところ
カバーを開けてみたところ、中にはハードディスクまで入っていました。このHDDについては別途紹介したいと思います。

基板
これが中に入っていた基板です。

かなり大きな基板なので1/4ずつ見ていくことにしましょう。

基板 右上部分
まずは右上の部分からです。

右上の小さな白いコネクタはファンへの電源、大きなクリーム色のはHDDへの電源です。
たくさん並んでいるNECのμPD421000C-80は1M×1bitのDRAMですね。この写真の範囲外も含めて32個ありましたので、合計4MBのRAMです。
右下のほうに「CASXX0」とマーキングされたPAL16L8B2NCがありますね。PLDは用途不明なことが多いのですが、「CAS」などとあるのでDRAM関係であろうと推測が可能です。

基板 右下部分
次は右下の部分です。

左上にはMC68020RC16E、モトローラの32bit MPUです。
右にいくとDALLASのDS2009、512×9のFIFOで2つありますね。並列にして18ビット幅にしているのか、双方向にしているのか。
これらの下には「REFXX1」「FIFOX0」「VIDEO2」と書かれたPAL16R4BNC, PAL16R6BNC, PAL16R8B2NCがいます。FIFOX0は上のDS2009関係でしょうね。
右下にいくとソケットに入ったPLCCのL1A2274、「ADOBESYS」とあります。これ確かOKI Microline 801PSでも見ましたね。そう考えるとFIFOもDS2009とDS2010の違いはあるけど一緒です。

下の白いコネクタは電源供給のコネクタ、その左はおそらくプリンタのメカ制御等の部分へのコネクタでしょう。

基板 左下部分
今度は左下部分になります。

左下は25ピンのシリアルと、その右は36ピンのパラレルポートのコネクタです。シリアルがあるのはPostScriptでは双方向通信が使いたいことがあるため、当時のパラレルはまだ双方向はできなかったはずです。
上にはZ0853006PSC SCC、Zilogのシリアル通信の石ですね。上のソケットと左上の26ピンヘッダは何も挿さっていませんでしたので、詳細不明です。

ここにもPLDがいます。
PAL16L8BNC「SCSIX1」は後で出てくるSCSIコントローラ関係、おそらくはデコーダなどでしょう。
PAL20L8BCJS「DSACK2」はMC68020へDSACK0, DSACK1を返す回路でしょうか。これらの信号はアドレスによってバス幅を変化させるダイナミックバスサイジングのためのもので、MC68000のDTACKの機能も兼ねています。
PAL20L8BCJS「PERIP1」はペリフェラルのことか、詳細不明。
右にいってPAL16R8B2NC「VIAXX1」はVIA (R6522)、PAL16R4BNC「SCCXX1」はZ0853006PSC SCC関係でしょうね。
どうもPLDの命名は機能5文字+数字1文字で機能名が5文字に満たないときは「X」で埋めて合計6文字になるようにしているようです。最後の数字はリビジョンかもしれませんね。

基板 左上部分
最後は左上部分です。

左側の50ピンコネクタはHDDへのSCSIコネクタです。
R65NC22P2 VIAも、その下のNCR5380も、Microline 801PSと一緒です。
ROMは40ピンが2個だった801PSとは異なり、28ピンのAM27C512-150DCが16個も並んでいます。合計で1MBとなり、当時としてはかなりの量です。ラベルもほぼ一緒、バージョンはV52.3に対してV52.1とこちらがやや古いです。あとHH0~LL3までナンバーが振ってありますね、おそらく「HH」が32ビットバスの内の上位8ビット、そこから下に「HM」「LM」と続いて最下位8ビットが「LL」なのでしょう。

こうして見てくると801PSとそっくりであることがわかります。RAM容量が4MBと8MBと違っている以外は違いがほとんどありません。
異なるメーカのプリンタの回路がここまで似ているということは、Adobeが標準設計を行っているのでしょう。変更点が増えるとソフトウェアの移植費用がかさみますから、なるべく変更しないようにしているのでしょうね。

それとコンピュータとして見てもかなりのスペックですよね。

CPU(MPU) MC68020 16MHz
RAM 4MB or 8MB
HDD 40MB

これでシリアルポートも付いているのですから、ROM乗せ替えたら汎用計算機としても使えるかもです。

最後に近い時代のMC68000系のコンピュータと比較してみるとこんな感じです。

発売 名称 種別 MPU RAM HDD 備考
1987.01.21 SONY NWS-820 ワークステーション MC68020 16MHz 4MB 86MB
1987.03.02 Apple Macintosh II パソコン MC68020 16MHz 1MB 20MB
1987.03.02 Apple Macintosh SE パソコン MC68000 8MHz 1MB 20MB
1987.03 Sharp X68000 パソコン HC68HC000 10MHz 1MB 無し
1989.01.19 Apple Macintosh SE/30 パソコン MC68030 16MHz 1MB 40MB
1990 OKI Microline 801PS プリンタ MC68020 16MHz 8MB 不明
1990.07.01 NEC PC-PR3000PS プリンタ MC68020 16MHz 4MB 40MB
1993.03 Sharp X68030-HD パソコン MC68EC030 25MHz 4MB 80MB

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