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PLLシンセサイザ(その6)


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前回は74LS624によるVCOを作成しましたが、当初の計画である1MHz~25MHzには上限が足りない上にV2のコントロールが必要です。

そこで74HC4046によるVCOも作ってみました。


これも部品点数の少ないシンプルなものですね。74HC4046も前に動かしているので基本それを踏襲していますが、R1を切り替え式から挿し替え式に変更しました。さらにR2も必要に応じて挿せるようにソケットを用意しました。

とりあえずR1=47kΩ, R2=∞(Open)としています。

これで前回同様に周波数の可変範囲を調べてみると、0.94MHz~23MHzとわずかに広くなったうえにV2のような別途コントロールしなくてはならないものもありません。

R1, R2をアナログスイッチで切り替えればさらに範囲を拡大できるかもしれません。ただ動作中に切り替えて出力がどうなるのかはちょっと心配です。クロックを少しずつ上げながらどこまで動作するか、といった目的には連続的に変化することが重要だからです。

これで一応1MHz~20MHzはカバーできる(本当は25MHzまで欲しい)と喜べればいいのですが......

これは電圧を0~5Vまで変化したときの話で、実際にPLLとして動かす場合の電圧の範囲はもっと狭くなってしまいます。

ということで74LS624, 74HC4046の両者にフィードバックをかけて動かしてみました。基準クロックは8MHzを80分周した100kHzとしています。当初10kHzを試したのですが周波数が安定しませんでした。前のMC145106を使った基板でも10kHzだったのでジッタの原因はこれだったのでしょう。

まずは74LS624から、安定に動作する周波数の下限と上限を探ってみます。

ちょっとジッタがありますね。ギリギリの周波数を攻めすぎたかな。

可変範囲は3.45MHz~18.9MHz、下はV2=0Vで固定しているためですが5Vにしてもギリギリ1MHzまで下がるかどうかといったところでしょう。上も足りていないのであとはCxを切り替えるか、アンプを入れて制御電圧を目一杯振れるようにするか、くらいでしょうか。

続いて74HC4046です。

こちらは700kHz~22.1MHz、バラツキ等を考慮して余裕をみても1~20MHzはカバーできそうですね。

でもこうなると欲が出てきます。次はリングオシレータを使ったVCOを試してみることにします。

私のTwitterを見ている方は気付いていると思いますがVCO単体では既に動いています。ただPLL回路に組み込むと周波数の下の方が安定しないのです......

参考文献・関連図書: 
CD54HC4046A, CD74HC4046A, CD54HCT4046A, CD74HCT4046Aデータシート, SCHS204J, Texas Instruments.

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