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10BASE-5 トランシーバ(コネクタ)


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10BASE-5の特徴的なトランシーバはバンパイア型ですがコネクタを使うものも存在します。


このET1005Mはほぼ新品同様の状態で出てきましたが、他のトランシーバと同じように廃棄品を貰ったように記憶しています。
左右上にごついN型コネクタが付いています。


ケーブルを接続してみたところです。後から取り付けるためにはケーブルを切断してコネクタを取り付けなくてはなりませんから、最初の敷設時に付けるものなのでしょう。N型コネクタの取り付けは知っていれば難しいものではありませんが、作業中はネットワークが使用不能になります。これは切断箇所を通る通信ができないだけではなく、一切の通信ができなくなります。イーサネットのターミネータは単に反射を防ぐだけではなく電位を決めるのも役割で、この電位を用いて衝突検知を行っているためです。


カバーを開けたところです。以前紹介したET10081と機能的には同じはずなのですが、こちらの方が複雑そうですね。

茶色い凸凹の板のようなものはハイブリッドICですね。基板上に部品を並べて回路を作ったものを樹脂モールドしたものですが、最近はあまり見なくなりました。

その下にあるOMRONと書かれているのはリレー、何を切り替えているのでしょう?

左上のコネクタの右にあるICのような形のものはパルストランスですね。これは1000BASE-Tなどでも似たものが使われています。最近ではコネクタに組み込まれていることも多いので単体はあまり見ないかもしれません。

その右と下にあるMC10116LはECLと呼ばれるロジックICです。今では標準ロジックというと74HC138のような74XXYYYのシリーズ(XXがLS,HC,LVTHなど回路方式、YYYが機能を表します)ばかりですが、以前は他にもありました。40YY, 145YYといったC-MOSのシリーズは電源が3~18Vと広く乾電池でそのまま使えたのでアマチュアの工作に良く使われました。反対に使い方は難しいが高速動作できるということで10K(10YYY), 100K(100YYY)といったECLというものがありました。この10116は10KシリーズのTriple Line Receiverです。Propagation Delayが1.0~3.3nsと当時としては高速でした。今ではC-MOSが十分高速になったのでこれもあまり見かけなくなりました。

下のほうをよく見ると左右のN型コネクタはそのまま繋がっていますね。最初このトランシーバを見たときは500m毎に挿入するリピータかと期待したのですが、そうではありませんでした。リピータなら2つのコネクタは直結ではなく間に増幅回路などが入っているはずだからです。

参考文献・関連図書: 
MC10116データシート, ON Semiconductor.

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