You are here

日本を変えた千の技術博(前編)


テーマ:

国立科学博物館は以前訪問していますが、企画展目当てに行ってきました。「明治150年記念 日本を変えた千の技術博」、3月3日までの開催です。

例によって電気関係の展示をいくつか紹介していこうと思います。今回は計算機以外です。

コヒラー検波器
これはコヒラー検波器(コヒーラ検波器・コヒーラ管とも)と呼ばれた初期の検波器です。ガラス管の2つの電極の間に金属粉が封入してあり、電波を受けると抵抗値が下がります。電波が無くなってもそのままでは元に戻らないので、機械的に衝撃を与えるなどしてリセットする必要があります。

このような特性なので当然のことながら電信にしか使用できません。

これ子供のころ愛読していた図鑑に載っていたのを憶えていますね。

三・五平方粍四芯G・P 重中海ケーブル
昭和初期の海底ケーブル、現存する最古級のものだそうです。

先端に被覆線が1本飛び出ていますが、これと同様のものがもう3本入っています。その外側はすべて保護層です。

M312C
太平洋戦争中に日本無線が開発したマグネトロン M312Cです。

今マグネトロンというと電子レンジが思い浮かぶかもしれませんが、初期の用途はレーダー用がほとんどでした。これも海軍の2号2型電波探信儀に使用されたものです。

中にダイスのようなものが入っていますが、これが陽極と思われます。巻いてあるのは水冷用の銅管かな。

M159A
これもマグネトロンですが形状はぜんぜん違いますね。用途はやはりレーダー用です。

新日本無線のM159A、富士山レーダーに使われたものです。尖頭出力が2MWもあるのだとか。

黄色いラベルには物騒なことが書かれていました。「注意 放射線キャップを外して高電圧をかけて動作させるとX線が出て危険です」

PCM-1
これはソニーのPCMプロセッサ PCM-1、音声をディジタル化してビデオレコーダで録音・再生するものです。1977年当時オーディオに使えるほどのディジタルデータを記録できるメディアが他になかったからです。これ以前は記録部(ビデオと同様に回転ヘッド)と一体でしたが、これは記録部には汎用のビデオレコーダが使用できます。

これがその後の Compact Disc の開発につながっていくことになります。

次回は計算機関係を取り上げます。

参考文献・関連図書: 
『特別展 明治150年記念「日本を変えた千の技術博」図録』国立科学博物館.

Add new comment

Plain text

  • No HTML tags allowed.
  • Web page addresses and e-mail addresses turn into links automatically.
  • Lines and paragraphs break automatically.
※ コメントは原則公開です。個別のご相談などは「ご意見・ご要望」からお願いします。