2017-02-04 22:52 — asano
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Microline 801PSはジャンクで買って愛用していたPostScript対応プリンタですが、不調になったのをきっかけに修理する価値は無いと判断して廃棄しました。その時に一部の基板を残してありました。
MC68020が載っている基板なのでCPU基板(MPU基板の方が良いかも)と呼ぶことにします。
右下の金色のがMC68020RC16E、モトローラ製の32ビットMPUです。さすがにMC68881 FPUはありません。
上にいくとラベルの貼られた40ピンのICが2つ並んでいます。ラベルを綺麗に剥がす自信が無いのでそのままですが、×16のマスクROMと思われます。「© 1984-90 Adobe systems」「© 1981 Linotype AG&Subs」表記から純正PostScript搭載機であることがわかりますね。「ML801PS」と機種名もあります。
上端までいくと「APTK」とシルクのあるミニDINコネクタ、Macintosh用のAppleTalkの意でしょうか。
左には25ピンのシリアルポートもあります。
左端中央には40ピンのZ0853006PSC、Zilogのシリアル通信の石です。
ここには36ピンのパラレルのコネクタがあります。私はもっぱらこれを使っていました。
左上にはちょっと場違いな感のある大きなコイルがいます。すぐ下にTL497ACNというDC-DCコンバータの石がいるのでそれ用でしょうか。
下にいくと40ピンのR65NC22P3、珍しい6502用のVIA (Versatile Interface Adapter)というパラレルポートのICです。MC68020にはR/W, Eを使うM6800系デバイスのサポートは無くなっているのに何でわざわざこんな石を使うのでしょう。
右下のNCR5380はSCSIの石ですね。このプリンタは確かフォント等のために小さなHDDを内蔵していたはずなのでそのためのIFでしょう。
左上に2つある28ピンはDS2010-80、1024×9bit FIFOのようです。
左上に大量に並んでいるのはZIPのDRAMですね。上からでは型番は読めません。
左下のほうにTDKロゴのついたDCE05-20というのがありますが、これはディレーラインです。入力信号が一定時間遅れて出てくると言うもので、このDCE05-20では50ns遅れます。さらに5nsごとのタップもあるので、例えば35ns遅れた信号等も得ることができます。上のDRAM用のタイミング生成のため、昔はこんなアナログ回路が使用されていたものです。
右下のソケットに入ったPLCCはL1A2274、売っているらしいサイトは多いのですが、データシートが見当たりません。「ADOBESYS」と書かれているのが気になります。一体何なのでしょう?
DRAMはなんだろうと思って横からアップで撮ってみました。
M511000A-10Z 1M×1bit DRAMですね。これが64個並んでいたので合わせて8MBということになります。当時のプリンタにしてはかなりの容量ですが、PostScriptサポートのためにはこれくらいは必要だったのでしょう。
これはフロントパネルのところの基板です。
4つのLED、キャラクタLCD、ボタン8つです。LCDは16桁×2行だったかな。カタカナ表示で見にくかった気がします。
左のMSM5259は40 dot Segment Driverです。
中央は日立のHD44780A00、代表的なキャラクタLCDのコントローラです。他社のものもこれの互換品がほとんどなので、これを知っているとどのLCDモジュールでも悩まずに使えるでしょう。この石だけで40×16ドット(1文字が5×8なので8桁×2行)まで対応なのでもう40ドット分をMSM5259で補って16桁×2行にしているようです。
右のLC6543Chは4ビットのマイコンだそうです。これでコネクタのピン数が少ないのに納得がいきます。
最後にMicroline 801PSの仕様でわかるものを簡単に書いておきます。
発売 | 1990年 |
---|---|
方式 | LED方式 |
用紙サイズ | B4, A4, B5, ... |
解像度 | 400dpi |
インターフェイス | パラレル・シリアル・LocalTalk |
ページ記述言語 | PostScript |
フォント | 和文2書体(明朝,ゴシック) 欧文 |
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